活動計画の設計
『どんぶり勘定(経営)』という言葉をご存じだと思う。細かく計算などをしないで、おおまかに金の出し入れをすること。
昔、職人などが、腹掛けのどんぶりから無造作に金を出し入れして使ったことからいう。(大辞泉)
積み上げ思考でお金を管理することを、『どんぶり勘定』。
積み上げ思考で会社を経営することを『どんぶり経営』という。
この状態が、多くの営業マンの活動計画立案とそっくりと感じる。たまたまアポイントが取れたからそこへ訪問する。再プレゼンテーションが必要なクライアントがいるから、他のアポイントは取らずに時間を空けておく。どれも目先の必要性が判断基準で、活動を組み立てている。
だから、今月の着地などといっている。これは、活動を自らコントロールしている状態ではないことに気づかなければならない事項だ。
そもそも、普通の大多数の営業マンは、与えられた予算を自分にはクリアできないと思い込んでいると先ほど明記している。しかし優秀な営業マンは、どうだろうか。自分の予算をやると心に決めただけではない。
その予算をやると決めることは、単なるスタートラインなのだ。その達成のためには、具体的な策を検討し、これならやれると思える策を見出している。そしてそれを愚直なまでに実行している。
しかしいくら優秀な営業マンとはいえ、これを紙に書いた設計図にしていることはまれなことだ。優秀な営業マン(=優秀なビジネスマン)の多くは、頭の中でそのイメージをして、実行しているだけに過ぎない。
だから、「具体的に何をすることが優秀な結果を出す秘訣なのですか?」と問われても、明確な回答がない。しかし少なくとも優秀な方は、自分で選択したやり方や、大切にしていることをキチンと実行して結果を出している。
そこで優秀な営業マンが実行している、逆算思考をひも解くことにする。
逆算とは、辞書を引くと次のように記載されている。
ここでは、①の意味で逆算を考えている。結果を出すために必要なことを予め算出してから、ことにあたることを意味している。
ゴールにたどり着くために、現状を分析し、現状からゴールまでの道筋を合理的に・論理的に設計する。その設計図が具体的で、何を、いつまでに、どうすればいいのかが明確になっていなければならない。それを忠実に実行することで、計画との差異を明らかにして、その修正活動を図り、ゴールに到達している。
活動をスタートする前に、設計図を考えることで、より効率的な活動ができることは明らかだ。
時間という資源は、人類に平等に与えられた唯一の資源である。この資源をどう活用するかが問われているからだ。
積み上げ思考で、行き当たりばったりの活動よりも、逆算思考でスタートする前に、設計図を手にして実行する方が当然勝っている。
ではその手順とはどうすべきなのだろうか。